Z軸移動の補正

正規品以外のフィラメントを使うと、Adventurer3で2層目から5層目ぐらいまで、なぜかエクストルーダーからカンカン音が出てきた。これはフィラメントがノズルから出力されず、エクストルーダー側で、フィラメントがスリップしている音らしい。

色々と調査し、Simplify3D側での設定である程度解消ができたので、その原因らしきものと、解消方法を合わせて書きたい。

とりあえずの対処方法

初めに実施した対処方法は、下記の通りなのだが、いずれでも解決することはできなかった。

ノズルの掃除

検索で出てくる、FAQではノズル詰まりが出てきたので、ユーザーガイドに従い、ノズル詰まりの除去をやってみた。ついでにピアノ線でノズル先端をホジホジした。手持ちのピアノ線は0.35mmのものだったが、切り口をきれいにしないと、穴に入っていかなかった。

付属の詰まり除去用ピンで押し出し

ピアノ線でホジホジしてノズル貫通させた

なお、初めてノズルを引き抜く際は、相当力を入れなければ、引き抜けなかった。

フィラメントを手で押し込む

エクストレーダーの押し出し圧力が低いのかと思い、フィラメントを手で押し込んだ。

出力パラメータの調整

押し出し率やパス幅、速度などを調整

再調査

2層目出力時の状況

2層目でカンカン音が鳴っているときに、実際に出力されている状況を目で確認していたところ、フィラメントの出力量が少ないように感じた。

出力を途中で止めて、出力されたものを見たところ、2層目の出力が薄いように感じたので、厚みを測ったところ、想定された2層目より厚みがなかった。

レイヤー高さを0.2で出力した結果。
赤い部分が1層目、黄色い部分が2層目。厚みを測ると、1層目と2層目がほぼ同じ0.2を超えた厚みだった。

Z軸位置移動についての確認

初めの校正時に、紙が動く高さから、動かない高さに0.1下げたあとに、再度0.1上げても、紙は動かなかった。一度0.5位上げてからでないと、正しい高さに戻らなかった感じがあった。

実際、高さの移動方向が反転した時、ノズルの高さが目視では動かなかった感じでもあった。

原因についての仮説

Z軸に関しては反転移動時、0.3~0.5mm程の機械的な遊びにより、位置が性確に決まらない場合がある。そのため、1層目から2層目への移動方向の反転時に、正確な高さにノズルがなっておらず、ノズル先の隙間がほとんどなくフィラメントを出力することができず、カンカン音が鳴っていたものと思われる。

対処方法

Z軸移動時には、一度上にあげてから、指定した高さに持っていく補正コードを入れることにした。

FlashPrintの設定かファームで可能かどうかサポートに確認したところ、できないとの返事があった。そのため、Simplify3D側のスクリプトで対応することとした。

Simplify3D側設定方法

一応、スクリプトで対応する方法と、リトラクション時の動作で対応する2種類できる。

この対応をすることで、2層以降のカンカン音がなくなった。ただ、途中の高さで時々出るカンカン音はまだ原因不明で未対応。

スクリプトでの対応

FFF設定-スクリプト-レイヤーごとのスクリプトに、以下の記述を入れる。

G91
G1 Z0.5 F60
G90

これは、一度座標値モードを相対座標にし、Z軸に0.5mm上に移動するというコードになる。

レイヤー変更前に、上記のコードが入り、その後、実際の出力高さに移動する。

リトラクション時の動作での対応

FFF設定-エクストルーダー-滲みコントロールのリトラクション時のノズル昇降動作に0.5mmを設定

FFF設定-高度な設定-オーズコントロールの動作-各レイヤー移行時にリトラクションを強制的に行う。をONに。

上記設定で、相違同時にリトラクションを行うと同時に、いったんノズルを上に0.5mm引上げるので、正しい層の高さになるようだ。

設定に関しての注意事項

Z軸の移動速度が速いと、スクリューなどに負荷がかかるような気がする。そのため、Z軸移動速度については、遅めに、私の場合は5mm/秒、設定したほうがいいように思われる。

結果

Z軸の移動補正コードの追加で、2層目以降のカンカン音がしなくなった。

ただ、FlashPrintでは実現できないことが悲しい。

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